青空 風まね 君を道連れに

ライブ・経済学の歴史―“経済学の見取り図”をつくろう

ライブ・経済学の歴史―“経済学の見取り図”をつくろう

■読んだ本。15冊目。西洋史家による「経済学」の思想史。「経済学」が主に取り扱ってきた(と著者が考える)7つのテーマ――分配、再生産と価値、生存、政府、効用、企業、失業――に沿ったかたちで配列された、「経済学」言説のラフ・スケッチ。坂本多加雄『知識人』を思い出した。相変わらず「限界革命」とか「一般均衡分析」とかのあたりで挫折しかかるが、とりあえずわかんないところはわかんないままで先に進む。10冊とか20冊とか読み続けていればそのうち理解できるようになるでしょう。とりあえず語彙に慣れること。それがまずは課題だ。
■予備校高等予備科2コマ。明日が私立校受験のせいか、全体的にみなさん緊張していたようす。どうか明日には彼(女)たちのこれまで蓄積してきたものたちがきちんと発揮されますように。その後、家庭教師2件。世界史の講義がいつのまにか脱線。12年前のギリシア旅行のことについてあれこれ話す。メテオラの修道院。圧倒的な孤独。山道に差し込んだ春の日差し。そして、根拠のない自信だけは身につけての帰国。「またどこかへ行きたいな」と口癖のように言葉が流れ出たが、本当はどこにも行きたくない自分がいることも知っている。まあよい。
■予期せぬ会話に触発され、脳内で時間旅行。もうしばらく思い出すことすらなくなっていたあることを思い出す。今日はある人の命日。その人が死んでしまって、今日で13年目になる。その人の死に見合うだけの何ものかを、現在の自分はちゃんと手にできているのだろうか。その人の死を忘却するに値するだけの何ものかに、現在の自分はちゃんとめぐり合えているのだろうか。イエス、と胸を張れるだけの自信がどうも今の自分には見当たらないんである。それが最大にキツい。欲望が欲しい、と思う。