第七回 日曜ゼミ

<学級>の歴史学 (講談社選書メチエ)

<学級>の歴史学 (講談社選書メチエ)

■またまた遅くなってしまいましたが。日曜ゼミ@山形市市民活動支援センター(12月19日、14:30‐18:30)。参加者7名(女3、男4)。報告は以下のとおり。

①「学級の歴史」
②「政策策定におけるSWOT分析技法について」

■前者は、Mさんによる「学級」の歴史社会学のまとめ。元ネタの文献は、柳治男『<学級>の歴史学』(講談社 2005)。イギリスにおける「学級」の成立史と、それが近代日本に輸入され普及していくに際しての、変容=翻訳の過程――それが近代日本の「学級王国」の成立史の記述となっている――の概観。分析単位としての「学校」ではなく、「学級」をもってくるあたり、非常に興味深いアイディア。よくよく考えてみれば、「地域共同体に暮らすということ」は、「学級共同体のなかにあること」と感覚的には近いような気も。学級化する社会!
■後者は、某市の市職員でもあるYさんによる「職員研修の実態」の紹介。「SWOT分析技法」のワークショップの過程を実際に再現しながら、市役所職員が実際にどのような前提と方法とで研修をはかっているのか、そこで行われているのはいかなる価値の伝達/習得/生産なのか、あれこれ議論が交わされる。非常に面白い。気になったのが「政策」の定義。「目標(理想)と現状の差(問題)を埋めるための手段」が「政策」という前提があるとのことだったが、そもそも「目標(理想)」には価値判断が濃厚に含みこまれてしまっているわけで。むしろ必要なのは、そこに既にある「前提」を疑うことではないのか。
■その後、年度末に編集・発行する予定になっていた「ゼミ論集」の件を具体的に進めるべく、あれこれ提案してみた。参加者の皆さまより了解をいただく。以下はその内容。次回1月22日(日)の日曜ゼミまでに各自に課題を課す。お題は「ゼミ論の構成(案)の作成」。2月の日曜ゼミ時点でいきなり原稿出してね!とかいうのはかなり殺人的なので、もう少し前から開始できるようなしくみをつくる、というのが第一の意図。もうひとつが、それぞれが書いたゼミ論を、相互にチェックし合えるような方法や機会をどこかに埋め込んでおこうというもの。つーかまずは自分のネタを考えなくては。