『セラピー文化の社会学』

セラピー文化の社会学―ネットワークビジネス・自己啓発・トラウマ

セラピー文化の社会学―ネットワークビジネス・自己啓発・トラウマ

■読了文献。101冊目。小池靖『セラピー文化の社会学ネットワークビジネス自己啓発・トラウマ』。非日常的かつ限定的な空間での自己変容を志向する営みがセラピーであり、それらは現代日本においては「モラルの実験場」「宗教の代替物」としての社会的機能を果たしている。そうしたセラピーの文化には二つの潮流が存在しており、その第一が90年代以前に隆盛した「強い自己」志向のネットワークビジネス自己啓発セミナー、第二が90年代以降に隆盛した「弱い自己」を前提とするトラウマ・サバイバー運動である。自分が関わっている運動もまた広義のセラピー文化であるわけで、そう考えると、自分たちの活動と宗教との機能的連続性みたいなものについても無知ではいられないなとか思いますた。