『東西/南北考』

東西/南北考―いくつもの日本へ (岩波新書)

東西/南北考―いくつもの日本へ (岩波新書)

■読了文献。44冊目。赤坂憲雄『東西/南北考:いくつもの日本へ』。新聞書評執筆のための参考文献として。「ひとつの日本」を相対化し「いくつもの日本」を浮上させるための、「もうひとつの民俗学」の挑戦。東西論から南北論へ。そのための現場は、「いくつもの日本」が文化的に出遭い混淆する「ボカシの地帯」のひとつ、「東北」の地に定められる。本書の視点を採用したときに訪れる感覚、すなわち、常識的に想定してきた日本史像がばらばらにほどけていくような感覚が何だかとてもおもしろい。