『NPOが自立する日』

NPOが自立する日―行政の下請け化に未来はない

NPOが自立する日―行政の下請け化に未来はない

■読了本。102冊目。田中弥生NPOが自立する日』。「行政の下請け化」する日本NPO。下請け化とは、権限が委託元の行政に保持されたまま、仕事だけが委託先NPOに降りてきて、しかも委託先NPOはその委託金がなければ組織維持困難なため、不満足な状態であっても仕事を断れないといった状態を指す。下請け化は制度構造に起因するものであり、NPO法や税制における規律要件の不在がその根源にある。しかもこの不在は、NPO法改正によってますます補強されてしまっている。規律要件を強化し、それによって市民の信頼(とそれに基づく寄付)を獲得することで、市民ベースの資金調達を可能にしていかなければならない、とのこと。「委託」を勝ち取った知人のNPOをうらやましく見ていたが、コトはそう単純でもないらしい。先日の組織マネジメント講座に引き続き、改めて考えなくてはならない組織運営上のポイントが急浮上してきていることに気づかされる。分岐点。