『弱者の居場所がない社会』
弱者の居場所がない社会――貧困・格差と社会的包摂 (講談社現代新書)
- 作者: 阿部彩
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/12/16
- メディア: 新書
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『弱者99%社会』
- 作者: 宮本太郎+BSフジプライムニュース
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2011/12/22
- メディア: 新書
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『情報の呼吸法』
- 作者: 津田大介
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2012/01/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『日本的ソーシャルメディアの未来』
公共空間の挿入法――「図書館講座」と「ぷらほ」
■私事になるが、この3か月ほど集中的に取り組んできた修士論文の執筆がようやく終わった。共同代表の松井さんをはじめ、メンバーのみなさんには、「ぷらほ」の仕事を肩代わりしてもらい、論文に集中できる環境を整えてもらうなど、さまざまな側面支援をいただいた。とても感謝している。さて、そうやって完成させた論文、タイトルは「学校図書館を基盤とした市民教育実践に関する社会学的研究」、山形北高・学校図書館の実践「図書館講座」のエスノグラフィーである。
■「図書館講座」とは、希望する60人以上もの生徒の人びとが、放課後に図書館に集まり、各自テーマ設定した社会問題をネタに、立場を異にする複数冊の文献を読んでレポートを作成し、そうやって得た知識に基づいて公開のディベートを行うという、3か月に及ぶ参加型の学びの場である。山形北高で20年にわたって続いてきた伝統的な実践である。筆者はこの全過程への参与観察を行い、質問紙調査やグループインタビューなどを実施して、質的データを収集した。
■さまざまなデータから見えてきたのは、「図書館講座」が市民教育実践としても有効だということである。そこでは、学校図書館=公共空間を舞台に、学校司書が媒介者となって、生徒の人びとを、他者や社会に開かれた活字文化の世界へと橋渡しするような仕事がこっそりと遂行されていた。生徒の人びとは、講座を経て、学校空間に蔓延する共同体の作法――「生徒らしく」あれ!――から身を引き剥がし、公共空間での適切なふるまいかたを身に宿すようになる。
■さてでは、公共空間での適切なふるまいかたとはどのようなものだろうか。公共空間の社会理論によれば、(1)その社会が複数の視座や多様な価値からなりたっているということ、そしてまた、(2)成員の誰もがその社会につながっており、ゆえにそれに関与できるし、してよいのだということ――この二つのかまえが成員の間でわかちもたれているような社会空間のことを公共空間と呼ぶ。要は、複数性(さまざまであること)と自律性(自分たちで決めるということ)だ。
■こうした公共空間へのかまえは、各地のNPO・市民活動や地域づくりが取り組む参加型の学びの場づくりが目的とするところでもある。しかし、学校化(一元的価値の《地域》への浸潤)が進む私たちの社会にあっては、《地域》は必ずしも他者や差異との出会いを保証してくれるものではない。「図書館講座」がユニークなのは、《地域》に代えて、活字文化を媒介項として導入している点だ。「ぷらほ」のユニークさも、おそらくはそれと同じところにある。*1
*1:『ぷらっとほーむ通信』106号(2012年2月)
『なぜ「高くても売れる」のか』
平田牧場・吉田カバンのプレミアム仕事術 なぜ「高くても売れる」のか
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『ブランド』
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